青春18きっぷ de 東北列車旅[06]

2018年(6)8月3日 盛岡駅 → 青森駅

「ラッセラッセ・ラッセラー」

 盛岡から青森までは東北新幹線に乗る。18時37分発新青森行の「はやぶさ31号」。ここまで鈍行を乗り継ぎできたので、「速い!」と、新幹線の速さをよけいに感じる。「はやぶさ31号」は二戸、八戸、七戸十和田に停まり、19時37分、新青森に到着。

 新青森では19時51分発の奥羽本線青森行に乗りかえる。5両編成の電車に乗ると、ホッとした気分になった。

 新青森の次が終点の青森だ。

 青森駅に降り立つと、さっそく青森の「ねぶた祭」を見る。盛岡から新青森まで東北新幹線を使ったのは、ねぶた祭に間に合わせるためだった。

 青森はねぶた一色。

「ラッセラー・ラッセラー・ラッセラッセ・ラッセラー」
 と、大人も子供も旅行者も、大勢の人たちが跳ねている。

 太鼓の音が腹に響く。

 この日ばかりは、国道4号から国道7号にかけての青森一番の幹線道路も祭り会場になり、大群衆で埋め尽くされていた。

 21時にねぶたが終了しても、しばらくは余韻にひたった。

 青森駅に戻ると、我が定宿、青森駅前の「東横イン」に泊まり、部屋で祭りの缶ビールを飲むのだった。

青春18きっぷ de 東北列車旅[05]

2018年(5)8月3日 一ノ関駅 → 盛岡駅

東北本線の終点に到着

 一関から盛岡行の4両編成の電車に乗る。中尊寺のある平泉、前沢牛の前沢、南部鉄瓶の水沢と通っていくが、「北国にやってきた!」という実感を強くする。

 電車は北上川流域の水田地帯を走る。

 北上では北上線、花巻では釜石線が分岐するが、ともに乗り降りする乗客が多かった。

 石鳥谷、日詰、矢幅を通って盛岡へ。夕日が奥羽山脈の向こうに落ちていく。

 18時04分、盛岡に到着。電車は折り返しの一関行になり、大勢の乗客が乗り込んだ。

 盛岡は東北本線の終点だ。時刻表を見ると、東京駅から535キロの地点。この先の青森までは、岩手県内はいわて銀河鉄道、青森県内は青い森鉄道になる。

青春18きっぷ de 東北列車旅[04]

2018年(4)8月3日 仙台駅 → 一ノ関駅

東京駅以来の大混雑

 仙台から14時35分発の小牛田行に乗る。4両編成の電車は満員。さすが仙台。東京駅を出発して以来、初めて見る大混雑の光景だ。それも小牛田に向かっていくにつれてすいてくる。

 15時20分、小牛田着。ここは鈍行乗り継ぎではきわめて重要なポイント。陸羽東線、気仙沼線、石巻線が分岐している。小牛田は鉄道の町だが、東北新幹線は古川を通っている。古川は陸羽東線の駅になる。

 東北本線の「仙台〜小牛田」間は本数が多い。しかし小牛田から先になると、本数はぐっと少なくなる。

 小牛田からは、ほとんど待たずに次の列車に乗れた。

 15時35分発の一関行。県境越えの2両編成の電車。石越までが宮城県で、油島になると岩手県。次の花泉は岩手県最南の町として知られていたが、今では一関市になっている。

 花泉の次の清水原も岩手県だが、その次の有壁は宮城県。有壁は奥州街道の宿場町で、ここには「東京〜青森」間の奥州街道で唯一の本陣が残っている。

 有壁からゆるやかな峠を越えて再度、岩手県に入る。

 16時23分、一関に到着。ここでは大船渡線が分岐している。

青春18きっぷ de 東北列車旅[03]

2018年(3)8月3日 福島駅 → 仙台駅

交通の要衝地「岩沼」で満員に

 福島からは12時40分発の仙台行に乗る。福島〜仙台間の列車だが、2両編成。県境越えなので、それほど乗客数は多くないからだ。福島を出ると、左手に吾妻連峰を見る。安達太良山と吾妻連峰の間の大きく落ち込んだところは土湯峠だ。

 貝田駅を過ぎると宮城県に入る。国見峠が県境なので、宮城県に入ったとたんに電車はスピードを上げ、峠を下っていく。宮城県側の最初の駅は越河。越河は奥州街道の宿場町。越河の次が白石で、白石を過ぎると、大河原、船岡、槻木と白石川沿いの町を通っていく。槻木では阿武隈急行鉄道が分岐する。

 槻木の次が岩沼。ここでは常磐線が分岐する。岩沼は国道4号と国道6号の分岐点にもなっている東北の交通の要衝地。かつての奥州街道と陸前浜街道(水戸街道)の追分だ。

 岩沼でほぼ満員になる、名取を通って仙台に到着。ここでは30分ほど時間があったので、駅構内の立ち食いの店で「肉うどん」を食べ、改札口を出て、仙台の駅前の風景を眺めた。

青春18きっぷ de 東北列車旅[02]

2018年(2)8月3日 黒磯駅 → 福島駅

安達太良山がよく見える

 黒磯では10時26分発の新白河行に乗り換える。東北本線は全線が電化されているが、なぜか列車は2両編成のディーゼルカー。乗客も少ないので、ボックスシートに座ると缶ビールで乾杯。那須連峰の山々を眺めながら飲む缶ビールはうまい。

 高久、黒田原、豊原を通り、栃木県から福島県に入る。東北だ。

 東北の最初の駅は白坂。白坂は奥州街道の宿場町だ。

 鈍行列車での県境越えはおもしろい。乗客がポツポツと降り、ガラガラ状態になって県境を越えると、またポツポツと乗客が乗ってくる。

 新白河では郡山行4両編成の電車に乗り換える。白河、須賀川と通り、11時32分、郡山に到着。郡山では11時39分発の福島行快速シティーラビットに乗り換える。「青春18きっぷ」では快速にも乗れる。

 本宮に近づくと、安達太良山が見えてくる。「本宮〜二本松」間では安達太良山がよく見える。福島到着は12時27分。東京駅を出てから6時間。新幹線だと2時間もかからずに行けるところを6時間近くもかけていくのが、「鈍行乗り継ぎ」の列車旅のおもしろさなのだ。

青春18きっぷ de 東北列車旅[01]

2018年(1)8月3日 伊勢原駅 → 黒磯駅

「ジクサー150での分割日本一周」は、2017年2月18日と2月19日の両日、岩手県花巻市で開催された「IWATEモーターサイクルフェスタ」がきっかけになった。カソリはゲストとして呼ばれ、『ツーリングマップル北海道』(昭文社)を担当している小原信好さんとの2日連続のトークショーをおこなった。立見席までいっぱいになるほどの大盛況。その会場に日本初公開のジクサー150が展示されていたのだ。ジクサー150との衝撃的な出会いだった。

 じつはこのときバイクではなく、連載でも書いたように列車で花巻まで行った。それも東京から常磐線→東北本線の鈍行を乗り継いで行った。イベントを終わらせたあとはさらに列車旅をつづけて東北を一周した。

 これがじつにおもしろくて、翌年(2018年)から毎年、「青春18きっぷ」を使っての東北列車旅をつづけている。そして今年(2021年)の「青春18きっぷ」旅で東北の全JR線の完乗を成しとげた。

 そんなカソリの「東北列車旅」をお伝えしよう。

さー、東北だ!

 2018年8月3日、「青春18きっぷ」を使っての「東北列車旅」を開始する。

 午前4時30分、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。30分ほど歩いて小田急線の伊勢原駅へ。5時16分発の一番電車に乗った。快速急行の新宿行。6時20分、新宿駅に到着すると、JRの緑の窓口で「青春18きっぷ」を買った。5日分で11850円。1日分が2370円になる。これでJR全線の普通車の自由席に乗れる。

 新宿から中央線で東京駅へ。東京駅発6時41分の宇都宮線(東北本線)宇都宮行に乗る。国府津始発の15両編成の電車で快速だ。上野、大宮を通り、小山を過ぎたところで緊急停車。人身事故で33分間、停車した。

 宇都宮駅到着は8時50分。30分遅れの到着だ。接続する8時32分発には乗れなかったが、次の9時08分発の黒磯行に乗れた。電車は4両編成だ。氏家、矢板、那須塩原を通り、10時02分、黒磯に到着。さー、東北だ!