2022年版ツーリングマップル東北

 みなさ〜ん、2022年版の『ツーリングマップル東北』が完成しました。

『2022年版』の実走取材は昨年の3月11日に始まり、12月22日に終えました。Vストローム250とジクサーSF250を走らせ、いくつかのテーマでもって、東北を駆けめぐりました。

 その間では東北道での事故がありました。5月31日のことでしたが、Vストローム250で秋田に向かっていく途中、栃木県の佐野藤岡ICの手前で、車線変更の車にぶつけられて吹っ飛び、あやうく命を落とすところでした。

 さすが「不死身のカソリ」、命を落とすこともなくまたバイクに乗れるようになりました。事故から77日目の8月16日には、ジクサーSF250で福島に向かったのです。左手の指4本を折り、まだリハビリの最中で、クラッチを握れないような状態でしたが、猛烈な痛みに耐えてジクサーSF250を走らせたのです。

 さて、2022年版の実走取材でのテーマというのは、次のようなものです。

「鵜ノ子岬→尻屋崎」
「国道走破行」
「式内社めぐり」
「巨木めぐり」
「混浴温泉めぐり」
「地鉄全線完乗」
「福島四大絶景ルート」
「岬めぐり」
「旧街道を行く」

鵜ノ子岬→尻屋崎」では東北太平洋岸最南の鵜ノ子岬(福島)を出発し、東北太平洋岸最北の尻屋崎(青森)まで走り、東日本大震災の大津波で大きな被害を受けた東北の太平洋岸の今を見てまわりました。これが第26回目の「鵜ノ子岬→尻屋崎」になります。

国道走破行」では国道252号と国道294号を走りました。国道252号は柏崎(新潟)が起点です。新潟・福島県境の六十里越を越え、只見川沿いに走り会津坂下へ、そして会津若松が終点になります。

 国道294号は柏(千葉)が起点です。取手(茨城)までは国道6号との重複区間で、下妻を過ぎると栃木県に入り、福島との県境の明神峠を越えて白河へ。白河からは勢至堂峠を越え、国道294号と同じく会津若松が終点になります。こうして1本の国道の起点から終点までの全線を走ってみるのはじつにおもしろいものです。

国道252号の六十里越を越えて新潟県から福島県に入る
国道294号の明神峠を越えて栃木県から福島県に入る

式内社めぐり」では東北の全式内社をめぐりました。式内社というのは平安時代の『延喜式神名帳』に記載された神社で、名社の格付けのようなもの。いずれも1000年以上の歴史を持っています。陸奥国に100座、出羽国に9座ありますが、志賀理和気神社(岩手県紫波町)が陸奥国最北の式内社、副川神社(秋田県八郎潟町)が出羽国の最北の式内社で、2022年版の『ツーリングマップル東北』には東北の全式内社が載っています。

宮城県大衡村の須岐神社(式内社めぐり)
秋田県八郎潟町の副川神社(式内社めぐり)

巨木めぐり」では東北各地の巨木を見てまわり、「東北の巨木10選」を選んでみました。巨木にはまるで神が宿っているかのようで、バイクを走らせてそれを見に行くだけの価値は十分にあります。

八幡の大欅(福島)
古町の大銀杏(福島)
山五十川の玉杉(山形)
称名寺の大椎(宮城)

混浴温泉めぐり」では湯ノ瀬温泉、蔵王温泉、木賊温泉、夏油温泉の混浴湯をめぐりましたが、湯ノ瀬温泉の大浴場の大きさには驚かされました。まるで温泉プールのようでした。同行してくれた美保さんには感謝、感謝です。

美保さんとの混浴は湯の瀬温泉から始まった(撮影:坂本卓也)
美保さんとの蔵王温泉での混浴(撮影:坂本卓也)

地鉄全線完乗」は青春18きっぷを使っての列車旅で、JRの鈍行乗り継ぎで東北を一周しました。その中で会津鉄道や福島交通、阿武隈急行などの地鉄(地方鉄道)に乗りました。青森県の弘南鉄道を最後に、東北の地鉄の全線に乗りました。すでにJRの全線に乗っているので、これで東北のJRと地鉄の全線完乗です。

津軽鉄道のの終点、津軽中里駅に到着
津軽鉄道のの終点、津軽中里駅に到着
弘南鉄道大鰐線の終点、大鰐駅に到着

福島四大絶景ルート」では磐梯山ゴールドライン→西吾妻スカイバレー→磐梯吾妻レークライン→磐梯吾妻スカイラインという順に絶景ルートを走破しました。

磐梯山ゴールドライン
西吾妻スカイバレー
磐梯吾妻レークライン
磐梯吾妻スカイライン

岬めぐり」では浜通り(福島県の太平洋側)の岬をめぐりました。北の鵜ノ尾岬から南へ、天神岬、殿上崎、波立岬、富神崎、塩屋崎、合磯岬、竜ヶ崎、三崎、竜宮岬、鵜ノ子岬と見てまわりました。

旧街道を行く」では下郷から会津若松までの会津西街道(下野街道)を走ったのです。『ツーリングマップル東北2022年版』の巻頭の写真ページでは、このようなテーマでまわった東北を紹介しています。巻頭の写真ページにはさらに「東北の食、今年の10選」と題して、昨年の実走取材中に食べたものの中から10食を選んでいます。

 巻頭の写真ページでぜひとも見てもらいたいのは、『ツーリングマップル東北』を使っているみんさん方からの投稿写真です。「ユーザーズ フォトギャラリー 2022」は、旅心を刺激されるような写真ばかりです。

 長期間の実走取材の中でも8月26日から3日間の「表紙撮影」は一番のハイライトシーンです。カメラマンの巣山悟さんと一緒に走りましたが、その第1日目は「かそりんの軌跡2022」と題して、巻末の写真ページに掲載されています。

 東北道の白河ICを出発し、国道289号で甲子峠を越え、下郷から会津西街道の旧道で大内宿を通り、会津若松へ。会津若松からは国道49号で猪苗代湖畔に行き、そこから表磐梯の押立温泉までのルートが6ページに渡って紹介されています。

 雑誌風にレイアウトしている巻頭と巻末の写真ページですが、本体の地図ページのロードマップもますます見やすく、充実しています。

 みなさん、ぜひとも『ツーリングマップル東北2022年版』を手に取って、じっくりとご覧になってください。