「伊豆半島一周」の岬めぐり

2022新春ツーリング[2]

 1月8日8時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。相棒のVストローム250のメーターは15万9521キロ。2017年の「70代編日本一周」で2万5296キロ、翌2018年の「70代編日本一周」第2部では6万3648キロを走ったVストローム250だが、目指すのは20万キロだ。

伊豆大島が見えてくる

 国道246号の善波峠を越えて秦野盆地に入った。うれしいことに峠のトンネルを抜け出ると正面には大きな富士山が見えた。

 秦野から二宮へ、二宮からは西湘バイパス、真鶴ブルーライン、熱海ビーチラインを走り、9時45分に熱海に到着。熱海からが「伊豆半島一周」コースになる。

 国道135号で伊豆半島の東海岸を南下。伊豆大島が大きく見えてくる。

 伊東を過ぎると東伊豆町の大川温泉、北川温泉、熱川温泉の「3川温泉」。ここでは熱川温泉でVストローム250を止める。海岸に立つと正面には利島、左手に伊豆大島、右手に新島と神津島を見る。式根島は新島の後に隠れている。

 熱川温泉では露天風呂「高磯の湯」に入ろうとしたのだが、なんと営業終了。1994年から28年間つづいた共同湯の歴史に幕を閉じた。絶景湯の「高磯の湯」には何度か入っているので残念だ。

 東伊豆町では稲取岬に寄っていく。

 まずは稲取漁港、つづいて「どんつく様」をまつるどんつく神社と龍宮神社、岬突端の四角い灯台を見てまわった。この漁港、神社、灯台というのは「岬の3セット」。
「どんつく様」というのは木製の巨大な男根。毎年6月3日〜4日に行われる「どんつく祭」では、神輿にくくりつけられたどんつく様が稲取の温泉街を練り歩く。伊豆の「三大奇祭」として知られているどんつく祭だ。

金目の煮つけは迫力満点

 東伊豆町から河津町を通り、下田市に入ったところが尾ヶ崎PA。ここでもVストローム250を止めたが、尾ヶ崎からは爪木崎がよく見える。岬突端の灯台も小さく見える。こうして岬から岬を見るのもいいものだ。

 12時20分、下田に到着。下田漁港の「市場の食堂・金目亭」で昼食にする。ここでは「金目姿煮定食」(1900円)を食べた。大皿からはみ出そうな金目の煮つけは迫力満点。まさに伊豆の味覚で、これを食べたくて伊豆半島に来たようなものだ。

 金目の姿煮に大満足したところで、下田から伊豆半島最南端の石廊(いろう)崎へ。南伊豆の海岸線を見ながら走り、30分ほどで石廊崎に到着。「オーシャンパーク」でコーヒーを飲んでひと息入れると、岬の突端へと遊歩道を歩く。灯台を見て、石室(いろう)神社に参拝。岬の突端に立ち、正面に新島と式根島、左手に利島、伊豆大島、右手に神津島を見る。

 今から30年以上も前のことになるが、我が「40代編日本一周」(1989年)の最後は石廊崎だった。ナイトランでたどり着いた石廊崎から水平線上に浮かぶ伊豆七島の明かりを見たとき、無性に日本の島をまわりたくなった。それが大きなきっかけになって、2001年から2002年にかけての「島めぐり日本一周」をやった。ぼくにとっては思い出深い石廊崎なのである。

 石廊崎からは伊豆半島の西海岸を北上。南伊豆町から松崎町に入り、雲見温泉の民宿「大漁」で一晩、泊まった。内風呂と露天風呂に入り、湯から上がるとビールで乾杯。そのあとの夕食が豪華版だ。カンパチ、アカゼ、スズキといった地魚の刺身の舟盛りが出た。さらに金目の唐揚げ、アジの塩焼き、エビが出た。西伊豆の海の幸満載の夕食で、一人では食べきれなかった。

きれいな富士山が見えた

 翌1月9日は雲一つない快晴の天気。民宿「大漁」の朝食を食べて出発したが、雲見海岸からは駿河湾越しにきれいな富士山が見えた。

 松崎町から西伊豆町、伊豆市を通って沼津市の大瀬崎に向かったが、その途中からも各地で雲ひとつかかっていない冨士山を見た。

 大瀬崎越しに見る冨士山はとくに印象的で、目に焼き付いた。

 大瀬崎から西浦、内浦と海岸線を走り、国道414号に合流して沼津へ。沼津に到着したのは12時。「熱海→沼津」220キロの「伊豆半島一周」だ。

 沼津からは国道246号を走り、我が家に近い鶴巻温泉「弘法の里湯」に入っていく。湯から上がると、館内のレストランで「天せいろうそば」を食べ、鶴巻温泉から5分ほどの伊勢原市の自宅に戻るのだった。