日本16端紀行[18]

2019年10月8日

日本最北端「宗谷岬」

 雄冬を出発し、13時30分、増毛に到着。増毛は宝暦年間(1571年〜1764年)に漁場として開発されて以来、ニシン漁の中心地としておおいに繁栄した。その栄華を今にとどめる歴史的な建造物が残されている。

 増毛駅はかつてのJR留萌本線の終着駅(現在は留萌が終着駅)。そんな増毛の駅前には旅館だった木造3階建の建物が残っている。駅前通りでは旧商家丸一本間家や増毛館、日本最北の造り酒屋、国稀酒造などの建物群が見られる。これら増毛の歴史的建造物は北海道遺産になっている。

 増毛から留萌へ。留萌からは日本海沿いの国道232号を北上。Vストローム250を走らせながら、しばしばバックミラーに目をやった。というのはこの「留萌〜天塩」間の国道232号では、何度も痛い目にあっているからだ。一斉やレーダーパト、白バイと3度もスピード違反で捕まった。

「今度はやられないぞ!」
 という気分で、緊張感を持って走りつづけたのだ。

 国道232号沿いの羽幌、初山別、遠別といった町々を通り過ぎ、15時45分、無事に手塩に到着。心底、ホッとした。

 天塩では町中を走り抜け、天塩港に出た。そこで日本海に流れ出る天塩川を眺めた。天塩川は全長306キロ。天塩岳(1558m)を源とする北海道第2の大河だ。

 天塩を出発。国道40号に合流すると稚内へ。稚内までは国道40号と国道232号の重複区間。稚内が国道232号の起点になっている。途中、豊富では豊富温泉に行き、「ニュー温泉閣ホテル」の湯に入った。

 18時、稚内に到着。

 日本最北の駅、JR宗谷本線終点の稚内駅前でVストローム250を止め、「やったぜ!」のガッツポーズ。そのあと稚内港に面した日本最北の温泉、稚内温泉「港の湯」に入った。湯から上がると、隣接するロシア料理店「ペチカ」で夕食。スープの「ボルシチ」を飲み、ロシアパンの「ピロシキ」を食べた。

 稚内からは国道238号で宗谷岬へ。

 20時、日本最北端の宗谷岬に到着。函館港から830キロ。ライトアップされた「日本最北端の碑」の前に立ち、真っ暗な宗谷海峡を眺めた。この時間だと、人影もない。

 暗い海の向こうのサハリンに想いを馳せる。対岸はサハリン最南端のクリリオン岬。日本時代は西能登呂岬と呼ばれた。宗谷海峡の幅は43キロでしかないが、水平線上には明かりひとつ見えない。

日本最北端の宗谷岬に到着

「日本最北端の碑」を後にすると、すぐ近くの民宿「宗谷岬」に泊まった。

民宿「宗谷岬」のバイク専用ガレージ