鵜ノ子岬→尻屋崎 2024[04]

2024年3月11日 – 14日

急ピッチで復興する閖上

 浜通り北部の松川浦を出発。スズキのニューモデル、SX250を走らせ、海沿いの県道38号を北へ。新地町に入ると、まずはJR常磐線の新地駅に行く。駅舎はすっかり新しくなり、新しい駅前ホテルができている。ここの「つるしの湯」は日帰り入浴可。新地駅前から釣師浜へ。「釣師防災緑地公園」ができている。その一角には我らライダーの聖地、「復興フラッグ」のコーナーがある。

 新地から海沿いのルート(県道38号の旧道)も、県道38号の新道も完成し、問題なく福島県から宮城県に入れる。大津波に直撃されて無残な姿をさらしていた新地の海沿いの一帯は今、新しい姿で蘇った。

 県道38号の新道で宮城県(山元町)に入った。盛土され、大津波に対しての防潮堤の役目をも果たす県道38号は、国道6号のバイパス的な存在。新たな海沿いのメインルートの誕生だ。

 震災遺構の旧中浜小学校の脇を通り、亘理町に入ると県道10号にぶつかる。ここからは海沿いの県道10号を行く。大津波で町が壊滅した荒浜では夕暮れの荒浜漁港の岸壁にSX250を止めた。ここは東北の大河、阿武隈川の河口だ。

 県道10号をさらに北へ。亘理町から岩沼市に入り、仙台空港の滑走路をトンネルでくぐり抜けると名取市。大津波で壊滅的な被害を受けた名取川河口の閖上の町に入っていく。

 急ピッチで復興する閖上。人気の「かわまちてらす閖上」へ。ここで海鮮料理でも食べようと思たが、残念ながらすべての店はすでに閉まっている。時間は18時。

「かわまちてらす閖上」に隣接した場所に閖上湊神社が再建された。閖上復興のシンボルといっていい。ここは東北初のラーダーズ神社だ。拝殿で手を合わせ、奉納された神輿を飾る神輿殿を見た。

 閖上湊神社の参拝を終えると、コンビニで夕食用のおにぎりを買い、今晩の宿の春日旅館に向かう。仙台東部道路の名取ICを過ぎ、3つ目の信号の多賀神社前を右折して1キロほど走った左手にある。

「春日旅館」のご主人の高橋さんにはよくしてもらった。東日本大震災の体験談を聞かせてもらったが、震災の語り部のような方だ。高橋さんは閖上の復興を心より願っている。「鵜ノ子岬→尻屋崎」第1日目の「鵜ノ子岬→閖上」は220キロだった。